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[No.33]
 時間の無駄遣い
【登場人物】
アーサー

アリアハン大陸の最北東、大海に面した森の淵。
 真上に昇った太陽が、揺れる水面(みなも)に映し出され、たゆたうように輝いている。
 アルスがゾーマより受け取ったメダルに刻印されていた紋章、
 それと同じものが、まるで一種の誇りのように、胸に大きく描かれた緑色の服。そして額には大きなゴーグル。
 そんな身なりの一風変わった少年が、海面に足を浸し、バシャバシャと水飛沫を上げながら、
 膝の上のアイテムをジット見つめていた。
 サマルトリアの王子――アーサーは、自分に支給されたアイテムの理解に苦しんでいた。
(一見、剣なのですが…… この、なんとも持ちにくい柄の形状は何なのでしょうか?
 そしてさらに謎なのは、この引き金です……。 これは一種のボウガンのようなものなのでしょうか?
 相手に剣であると思わせておいて、油断した相手を遠距離から仕留める……?
 なるほど!きっとそうに違いありませんよ!!)

アーサーはアイテムを手に取り、立ち上がった。
 それを数メートル離れた木の方に向け、シッカリと狙いを定めてトリガーを引いた。
 カチッ………………カチッ…………カチカチカチカチ…………
(………………おかしいですね。新種のボウガンと思わせておいて、やはり剣なのでしょうか……?)
 アーサーは次にそのアイテムを、剣として両手でシッカリと持ち構えてみた。そして、近くの木の梢に激しく斬りつけてみた。
 バサバサバッサ……パラパラ……
(…………切れ味も最悪ですね……。
 ひょっとしたら棍棒のように、敵に叩きつけることでその真価を発揮するのかも!
 では早速、手ごろな岩でも……)
 こうして、アーサーはひとりで無駄に時間を浪費していた。
【アーサー(サマルトリアの王子)
 所持武器:ガンブレード 現在位置:島最北東の森の淵 行動方針:謎のアイテムを理解したい】

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