[No.45]
ナイフとフォーク
【登場人物】
ザックス
一体何が起きたんだ?
深い森の中、ザックスは考えていた。
確か俺はミッドガル近くの丘の上で死んだような…
今でも覚えてる。真っ赤に染まった自分、冷たい雨、悲しそうなクラウドの顔…
そう、俺は確かに死んだ。じゃ、これは一体なんだ?
天国ってのはこんな素晴らしいゲームをやるとこなのか?
それに…ゾーマとかいう奴に飛びかかって行った男。見間違いじゃない。あれはセフィロスだ。
あの人の憎しみは消えたのだろうか。元のあの人に戻ったのだろうか。
もし、そうじゃなかったら…こんどこそ俺が止めてやる。
そこまで考えてザックスは苦笑した。
後悔ばっかだな、俺ってば。
クラウドもいるのだろうか。もしいるのなら…今度こそ守ってやんねーとな。
ザックスがそう思ったのも無理はない。彼は一般兵だったクラウドしか知らないのだから。
それから…ふとピンクのワンピース姿の少女が彼の頭をかすめた。
あの子今頃どうしてっかな。ちょっと出かけるって言ってそれっきりだった。
今頃いい女になってんじゃねーかな。
ふと、昔を思い出しザックスの顔に笑みが浮かんだ。
「さてと、これからどーすっかな」
ザックスの顔から笑みが消え、セフィロスの片腕、優秀なソルジャー1stの顔になる。
−まずはセフィロスを探すかな、やっぱ
「おっと、まず装備の確認っと」
そう言ってザックをあける。
「えーと、確か地図と食料、それから明かりと武器だったな」
鼻歌を歌いながらザックをゴソゴソとあさる。
「♪ふんふふーん……!」
鼻歌が止まった。装備品を出し何度も何度も確認する。そして…
「え、マジかよ。おい。これが武器!?」
彼の手には、ナイフとフォークが握られていた。
【ザックス:生存確認 武器:ナイフとフォーク 現在位置:森の中 行動方針:セフィロスを探す。非好戦的、女性に優しく】