[No.8]
ルーキーと
【登場人物】
ルーキー、ケフカ
(どうしよう)
生い茂る木々の中、ルーキーはとぼとぼと歩いていた。その背にはふくろが、口にはブーメランがくわえられている。
(殺し合いなんてイヤだけど……でも、この輪っか、外れそうにないし)
頭にちょこんと乗っかっている『首輪』を、恨めしそうに見上げる。
一見、逆立ちでもすれば簡単に外れそうだが……呪いがかかっているだけあり、何度試してもダメだった。
(困ったなぁ。少し休もうかなぁ)
その時ふと、一本の大木がルーキーの目に止まった。
(ちょうどいいや。あの木に登って一休みしようっと)
緑鮮やかな葉が生い茂る場所まで昇り、ルーキーは一息ついた。
(この木の葉っぱおいしそうだし、ふくろに入れておこっと……あれ?)
葉を摘むことで開けた視界に、洞窟の入り口らしきものが見えた。
そしてそこから出てくる、一人の男の姿が。道化師のように奇抜な恰好をしたその男は、ブツブツとなにかを呟いている。
(……なんか、危なそうな人だなぁ)
その時だった。男が、ルーキーのいる木を見上げたのは。
(!!)
――その瞳は、たった1色の色に染まっていた。深く、果てしない狂気の色に。
男はすぐに視線を戻し、森の中を歩み去って行った。
しかし、ルーキーはしばらく動くことが出来なかった。
青く柔らかい体が、ぷるぷると震えていた。
【ルーキー(DQ6スライム):生存
所持武器:ブーメラン
現在位置:岬の洞窟近辺
行動方針:休息→硬直】
【ケフカ:生存
所持武器:???
現在位置:岬の洞窟近辺】