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[No.12]
 赤い男
【登場人物】
ゼル、アリーナ、サラマンダー、テラ

(やべっ)
 ゼルは駆け出した。不意に木陰から現れた少女と目が合ってしまったからだ。
 何故逃げ出したのかは分からない。
 きっと、女を相手にするのが気が引けたのか、ただ単にびっくりしたからだけなのか。
 ちら、と後を見、木々の間を伺う。
「ちょっと! 待ちなさいよっ!!」
 追って来ていた。
 栗毛色の髪を揺さぶる少女の予想以上の速さに、ゼルは驚嘆した。
 (こりゃあ、案外逃げて正解だったかもな・・・。)
「待ちなさいって言ってるでしょ!?」
 だがこのまま逃げ続けても埒がいかなさそうだ。
 しかし、「待て」と言われて止まるのは何だか恥ずかしい気がした。

2分ほど走っただろうか、まだ少女はついて来る。
 流石に全力疾走はキツイ、少し息が上がっていた、が、ココまで来ると既に意地だ。追い付かれる訳にはいかない。
(・・・お)
 つと、開けた場所に出た、瞬間、ゼルの足が止まった。
 正面10M程の距離を置いて、男が立っていた。鋭い視線をこちらに向けて・・・。
(あ、逃げた)
 不意に木陰から現れた男と目が合った瞬間、その金髪の男は逃げていった。
 そして、アリーナは追いかけた。 殆ど条件反射の様なものだった。
 心細かっただけなのかも知れない。 追って、追い着いて、何をするのかは
 考えて無かったが、その男の逃げ足の速さについ叫んでしまった。
「ちょっと! 待ちなさいよっ!!」
 男は逃げ続ける。 そして、叫んだ以上は追うのをやめる訳にもいかなくなった。
「待ちなさいって言ってるでしょ!?」
 アリーナは追い駆けながら考えていた。ブライ、 そして、クリフトはどうしているだろうか・・・。
 幸い、あの場所には居なかったが、一人になる。それをこんな不安な気持ちに感じるのは初めてだった。

(?)
 金髪の男が立ち止まっていた。 観念したのだろうか。いや、こちらを見ていない。 不思議に思いながら後ろに並ぶ。

(!!!)
 正面、黒いジャケットを着た、赤いドレッドが目を引く男が立っていた。
 そして、その男の足元。 一人の男が死んでいた。
「ハッ」
 赤い男が口を開く。
「いきなり魔法なんぞ撃ってきやがるからよ、 ・・・にしてはあっけなかったぜ。 んで、」
 赤い男はこちらを交互に見やり、両手を広げ、言う。
「お前等は俺を楽しませてくれるのか?」
(こいつは流石に逃げられれぇな・・・)
 ゼルは心内で舌打つ。 横を見ると少女は既に身構えていた。
(くそっ、やるしかねぇな!)
【ゼル:生存 
武器:電話機(未装備)
 現在位置:アリアハン城南の森
 行動方針:赤い男と交戦(基本的には戦いを好まず)】
【アリーナ:生存
 武器:ショートソード(未装備)
 現在位置:アリアハン城南の森
 行動方針:赤い男と交戦(基本的には戦いを好まず)】
【サラマンダー:生存 
武器:リフレクトリング
 現在位置:アリアハン城南の森
 行動方針:非常に好戦的】

【テラ:死亡 武器:?】
【残り109人】

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