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[No.51]
 己の欲望
【登場人物】
ベアトリクス

ベアトリクスに支給された武器は剣であった。
 見た目は重厚なのに、とても軽く、握っているだけで力が湧いてくる不思議な剣。
 彼女は目に付く木々や石、小動物などで次々と試し斬りをしていた。
「ふっ・・・よく斬れる剣だこと」
 ズガッ!!
 たった一振りで大木が切り倒される。
 倒れる大木を見やりながら、彼女は握っている剣をまじまじと見つめた。
「手に馴染みやすい・・・。そしてこの威力。良いものを手に入れた・・・」
 ベアトリクスは完全に、その剣を自分のモノとしていた。

しかし彼女はそれだけでは満足できなかった。心が満たされない。何かが足らない。
 それは、何だ?
 心の奥底にひっそりと存在する、何か。
 否定すべきものなのに、それを外に出したい気持ちが抑えられない
(己の欲望に正直であれ)
 その時、誰かがそう囁いた。
「己の、欲望・・・・・・?」
 魔道に足を踏み入れたら二度と元に戻れない。ベアトリクスはそれを承知で、欲望を開放させたのだ。
「やはり、人を斬らねば・・・」
 手に持った剣が妖しく光を放った。
【ベアトリクス 所持武器:皆殺しの剣 現在位置:いざないの洞窟、山脈越えた西の森 行動方針:人間を斬る】
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