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[No.18]
 海を目指して
【登場人物】
バッツ

支給品が薬品の入ったビンだけということに、心細さを感じた。
ビンに貼られたラベルにはびっしりと文字が書かれていたが、今は読む気もしない。
バッツは祠でゲームの詳細を聞いた後、東に向かった。
地図を見るとKー20。
不気味な音を立ててあわ立っている毒の沼地を発見した。
見たところ数百メートルにわたって広がっている広大な沼地だ。

これがただの湿原なら風流なことだったろうに。
バッツは重い足取りで、沼地を避け南に進んだ。
地図をよく確認しながら一歩一歩を確かめるように歩く。
このまま進めば海岸に出るだろう。
潮の匂いに惹かれて……

バッツはふと立ち止まる。
「うっかりしてた。祠に仲間が残っていたかも」
あまりに早い展開に、出てくるときは周りを見渡す余裕がなかった。
祠の中は薄暗かったが、人を判別するくらいはできたはずなのだが。
ファリス、レナ……まだ他にも誰かいるだろうか。

バッツは急いで戻ろうと走り出したが、兵士の説明を思い出して足をとめた。
確か、全員出発したあと祠は消滅すると言っていた。
それまではできるだけ離れた方が身のためだ、とも付け加えて。
バッツは祠の方角を眺めるように立ち尽くした。
どういう手段で消滅させるかは大体見当がつく。
バッツは戻れないことを悔やんで、唇を噛んだ。

俺の仲間は、そうヤワじゃない、
どこかできっとあえるさ、そしてみんなでこのゲームを抜け出す方法を考えるんだ、
だから今は。
バッツは思い直して、導かれるように海岸に向かって歩き出した。
【バッツ 支給品:惚れ薬
 現在位置:L−21
 行動方針:仲間を探すが、その前に海岸に行きたい】

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