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[No.20]
 焔色の髪の男
【登場人物】
サラマンダー

まだ夜が明けない海辺にある一つの焔色の点。
サラマンダーはあぐらをかいて海の方向をじっと見つめていた。
視線の先には塔があったが、そこへ行く気は無かった。
いや、正確に言えば、今の彼の目には何も景色は入ってこなかった。
祠を出てここに着いてから、静かに今の状況を考えていた。

俺は今までずっと一人で生きてきた。
裏稼業もこなしてきた俺にとって、人を殺すのはなんてことはない。
だが、このゲームには乗ることはできない。
あのピエロのような格好をした男……ケフカといったか、
あの男の言うことは、何か全く信用できない。
だが、やる気になっている奴は必ずいる。
果たして俺はどうするべきか……

そこまで考えて、サラマンダーはザックから自分の支給品を取り出した。
「これは……ダガーか、そういえばジタンが使っていたな」
自分がかつて旅を共にした仲間、ジタン。
生まれて初めて興味を引かれた人間であった。

「探してみるか」
なぜそう思ったのかはよくはわからない、
だが、奴ならこの絶望から脱出できる何かを持っているはずだ。
心の中にそうした考えが浮かんだか自分でもよくわからないまま、
サラマンダーはすっと立ち、内陸部へと向かった。
【サラマンダー 支給品:ダガー
 現在位置:I−20(南地区スタート)
 行動方針:ジタンを探す

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