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[No.23]
 とても深く赤い色をした……
【登場人物】
アーヴァイン

森の中、アーヴァインは静かに身を潜めていた。
(どうやら近くに人の気配は無いみたいだね)
深呼吸をしていくらか落ち着きを取り戻すと、彼は先ほどの事を考えてみる。

突然仲間と離れ離れにされゲームの説明を受けている時、彼は集団の中に一人の知り合いを見つけた。
サイファー・アルマシー、幼少時は同じ孤児院で育った仲だが、魔女の手先となってしまい何度も対立を繰り返す事になってしまった男である。
サイファーがこちらに気付いたかどうかは分からない、視線をこちらに向けることはなく、腕を組み何か考え事をしているように見える、
そして名を呼ばれると一言も喋らずにさっさと外に出ていってしまった。

(……う〜ん、声を掛けるべきだったのかな〜?)
立場の違い故に敵対関係になってしまったとはいえ、この非常事態。
現状を打破する為には協力者はできるだけ多い方が良かったのかもしれない。
(でも僕、昔からサイファー苦手だったし〜)

過ぎた事は仕方がない、
気持ちを切り替えて、とりあえず自分の支給品を調べることにする。
すると中には深く赤い色をしたヘルメットが入っていた。
(……これは? 中にまだ何かある、セットになっているのか?)
奥に入っていた物はプラカード、表にはこう記されていた。

ド ッ キ リ !

「…………」
しばし見つめた後、裏返してみる。

大 成 功 !!

……こんなモノを渡されて、一体僕に何をしろと?
頭を抱え数分間は悩んでみたが、やがて彼はやれやれと溜め息をつき、こう呟いた。
「ママ先生、僕はもうダメかもしれません」
【アーヴァイン 支給品:赤いヘルメットとプラカード 現在位置:C−14 第一行動方針:夜の間は身を潜める 第二行動方針:仲間と合流する】
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