LIST ▽DOWN
[No.24]
 Lady Luck ?
【登場人物】
マーニャ

夜道をとぼとぼとマーニャは歩く。
あんなことがなければ今ごろは……
話はスタート前に遡る、祠の中で憮然とした表情で説明を聞いていたマーニャだったが。
背中に妙な感触を覚える、そっと振り向くとそこには筋骨隆々の男がいた。
マーニャが振り向いたのを見ると、男は目線で振り向くなと合図を送る。
符に落ちないまま、再び前を向いたマーニャの背中にまた妙な感覚が…しかししばらくしていると
それが文字の動きだというのが理解できた、内容はこうだ。
ハナシガアル
コッソリマドノソトヲミロ
マーニャは言われるまま窓の外を見る、小高い丘の上に大きな杉の木があるのが分かる。
オカノウエノイッポンスギテマツ、ミナデチカラヲアワセテダッシュツシヨウ

無論その話に乗らないマーニャではない、しかもスタート順は1番だった。
が、しかし祠を出た途端、兵士に呼びとめられ、そのまま別室に連れていかれる。
そこには数人の兵隊が下卑た笑いを浮かべて座っていた。
「お前、踊り子なんだってなあ、踊れよ」
一人がくちゃくちゃと干物を食べながら冷やかす。
「もったいねえよなあ、こんないい体してんのに、やらせろや、へへへ」
別に何も思わない…こういう嘲りは慣れっこになってしまった、だが、そこで不意に妹の声が、
聞こえたような気がした。

  ”姉さんはいいわよね、楽しく踊って、お酒も飲めて”

ともかく彼女は、兵隊たちの下卑た笑いと無茶苦茶な掛け声に会わせて踊るしかなかったのだった。
その結果、合流に遅れてしまい、集合場所に辿りついた時にはそこは無残な有様だった……。

その結果、合流に遅れてしまい、集合場所に辿りついた時にはそこは無残な有様だった……。
死んでいたのはあの男のほかに、自分の隣の鼠女と彼の隣にいた戦士、これは偶然の遭遇で倒されたのか?
それとも彼の誘いを受けた何者かが裏切ったのか…。

ちなみに、もし自分があの場に居合わせることが出来ていればどうなったのだろうか?とは考えなかった。
そんなことを考えていては前に進めなくなる、しかし少なくともあんな下らない足止めさえなければ…。

だが、それでも一つだけ救われたことがなかったわけでもない、解放されてしばらく歩くと、
歩兵が一人近寄って来た、先ほどの部屋の中にいた兵士たちの内では飛びぬけて若い、
自分と同じかそれ以下の少年兵だった。

「あの、踊りとてもよかったです、その…これあげますっ」
うつむき加減でまくしたて、一方的に包みを渡すと少年兵はあわてて祠の中に戻っていった。

そういえばまだ確認していなかった、これは何だろうか?本来の支給品はやたらと大きなノコギリだった。
しかも不気味なマスクまでついていた、では、これは?マーニャは包みを開く、
中には掌サイズの機械が入っている、説明書には首輪探知システムと書いてあった。

説明によると画面中心の矢印が自分で、その他の光が他の参加者の現在位置なのだそうだ、
と、自分のすぐ近くJ-14で二つあった光が一つ消えた…おそらく誰かが死んだのだ、
いや殺されたのだ、殺したであろう奴はそのまま北東に向かっている。
今この周辺に確認できる光は4つだ。4つとも現在は動きを止めているようだが、
全て自分の北に位置している、これでは南に向かう以外に手は無い。
マーニャはとりあえず山脈を縫って南に向かうことにした。
【マーニャ 所持武器:回転ノコギリ 首輪探知システム 現在位置:G-15から南に 第一行動方針:仲間と合流 】
(探知可能範囲は自分を中心とした最大半径3HEXの円内です、縮尺は1HEX 2HEXの3段階に
 切り換え可能、ただし探知範囲が広ければその分精度はダウンします
 また位置はわかってもそれが誰なのかはわかりません)

J-14から北東に向かったのはルーファウスです

[Next] [Back] □LIST △TOP


Lady Luck ?
について管理人にメールする
件名:(選択)
内容: