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[No.25]
 魔女の騎士
【登場人物】
サイファー、キーファ

(これは…魔女の意志だ…)
サイファーは恍惚の表情を浮かべて西の祠からここ、エリアD−9まで移動してきた。
先ほどアーヴァインが声をかけなかったのは正解といえよう。
彼はあの祠にアーヴァインがいたことさえ気付いていない。
もはやスコールやリノアを見ても誰だかわからないだろう。
彼の眼には、栄光を勝ち取る騎士の姿しか映っていない。
彼の頭には、先ほどゲームの説明をした男の声がこだまする。

このゲームの説明をする不気味な男の口から漏れた一言、
『魔女様の、いや、我等の主のご指示である…』
あいつらの主…魔女…そんな考えが脳に浸透していった。
(オレは、魔女の騎士。魔女の意志はオレの意志)
サイファーの腕に握られている古代の剣が閃く。
(オレはこのゲームの進行役として、選ばれたんだ!)
すなわち――自分は他の参加者を殺すために選ばれた――。
自信に満ちた笑いをつくってサイファーは北へと、走り出した。

「ふう、ここらへんなら誰もいないだろう」
同時刻、キーファは北の祠から西へ移動し、砂漠を歩いていた。
何をするのかは決まっていないが、この砂漠なら参加者もそう集まってはこないだろう。
そう踏んで砂漠の中へと入った。
「よっこらせ…さぁて、どうすっかな〜」
考えを整理しようと、座り込んだ刹那、眼前に1人の金髪の男が映る。
視界に入ってきたのは、嬉しそうに笑う金髪の男だった。

「やっと1人目…」
そんなことを呟きながら近づいてきたサイファーに、キーファは立ち上がって構える。
それの直後、サイファー古代の剣を振りかぶって斬りつけてきた。
「クッ、お前…なんのつもりだっ!?」
キーファはその斬撃をなんとかかわし、支給武器のメイジマッシャーを構える。
「なぜ?決まっているだろう、このルール――魔女の意志に従っているだけだ!」
無機質に言うサイファーの声には、もうこちらの言葉を受け入れる余地はなさそうだった。
次々と自分の周りを薙ぎ払う剣を何とかかわす。
砂埃が舞い上がった。
(…チッ、狂っているのか?)
キーファも時折、反撃をしながら逃げるスキを伺う。
サイファーの攻撃は全て紙一重でかわしているが、このまま避け続けるのも限度があるだろう。
「魔女に逆らう者に死を!」
【サイファー:所持武器/古代の剣:現在位置/E−7】
 第一行動方針:魔女の意思に従ってゲームを進行させる。

【キーファ:所持武器/メイジマッシャー:現在位置/E−7】
 第一行動方針:サイファーから逃げる。
 ※交戦中。

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魔女の騎士
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