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[No.26]
 フェイク&デコイ
【登場人物】
エッジ、ミド、カンダタ

「これは一体?」
森の中で見つけたものを見てエッジは首をかしげる。どこかで見た事のあるような…
ともかくエッジはその中に足を踏み入れた、その時、足元に妙な感触……と同時に
けたたましい鳴る子の音が周囲に響きわたる。
「畜生っ」
エッジは慌てて後退するが、また別の感触が足に…すると今度は彼の身体はそのまま宙吊りになって、
しまったのだった。

ここまで鮮やかに罠に嵌った事は記憶に無い、憮然とするエッジの前に、
罠を仕掛けたであろう人物が姿を現す、意外な事にそれはまだ年端もいかぬ少年だった。
「とりあえずしばらくそのままで僕の話を聞いてくれませんか?」

「あ、僕はミドっていいます」
その少年はまず自己紹介をすませると、すぐさま本題に入る。
この物体が実は飛空挺であること、どうやら事故で不時着したような感じだということ。
そして肝心なのはこれからだ、不時着してからかなり経過しているのだが、
動力機関はまだ生きていることが確認されたのだという。

「って!ことはおい!」
「ええ、これが動けば!」
海には出ないほうがいいと、何か含みを持たせた言い方で彼らは言われていたが、
空を飛ぶなとは言われていない、もし飛空挺が使えれば行動範囲は各段に広がるし、
それだけではなく、色々な面で有利に事を運ぶ事も可能だ。

「手伝ってくれますよね!」
「ああ、下ろしてくれたら今すぐにでも手伝うぜ!」
ミドとエッジは手を取り合って喜ぶと、早速修理に取りかかっていた。

そして、それと同じくしてキャビンの中に転がっている、清掃道具のロッカーの中では、
「いいことを聞いたぞ…」
「連中に船を直させる、そして直ったら俺が乗っ取る、これで帰れるじゃねーか」
そこに潜んでいたのは、自称大盗賊カンダタであった。
彼はいの1番にスタートしたものの、頼るものもなければ、目的も無い、
ならば戦うかと相手を探しても見つからない、そのうち疲れてきたカンダタは、
森の中の異様な建物(彼にはそう思えた)に隠れている間に眠り込んでしまい、
先ほどの鳴る子の音で、あわててロッカーの中に隠れたのだ。

しかしカンダタはともかく、エッジもミドも気がついていないことがあった。
そう、どうしてこんなところに脈絡もなく飛空挺があるのかということを……。
まあ、単純バカのエッジと天才でもまだ子供のミドでは仕方ないのかも知れないが、
それでもこのままだと彼らは、そのことを身をもって味わうことになるだろう。

人間、絶望的状況になればなるほど些細な希望にすがりたくなるものだ。
溺れるものはわらをも掴む、しかし所詮はわらである。

そして清掃道具のロッカーの中にも一人。
「お前らのものは俺のもの、俺のものは俺のもの、助かるのは俺だけで充分だっての、ガハハ」
しかし、自分一人でどうやって動かすつもりなのか、それを全く考慮に入れていないカンダタだった。
【エッジ 支給品:? 現在位置:P-12。飛空挺内部(出発地点東) 行動方針:飛空挺の修理】
【ミド  支給品:?  現在位置:P-12。飛空挺内部(出発地点東) 行動方針:飛空挺の修理】

【カンダタ 支給品:M3ショットガン 現在位置:P-12。飛空挺内部(出発地点東)
 行動方針:修理完了後ハイジャック】

補足・飛空挺の修理は早くて朝には、遅くても正午までには完了します

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