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[No.32]
 JOKER
【登場人物】
ヴィンセント

研究室の中、一人の女性が何やら実験用のカプセルの中に入っていく。
(やめろ…君は利用されているんだ)
それを見守っているいるのはだらしない笑みを浮かべた科学者の男性だ。
(お前はただ研究材料が欲しいだけなんだろ)
女性は男性に向かって”心配しないで”といわんばかりに笑顔を浮かべる、その笑顔は
恋人に向けるそれだ。
(何故だ…なぜ君は私ではなく彼を…)

と、そこで不意に研究室は消滅し、そこは何も無いただの大部屋に変わる。

その部屋の真ん中でイスに座り、はぁはぁと息を荒くしている男がいた、
ヴィンセント=ヴァレンタイン、そう、先ほどの映像は彼の拭い切れぬ苦い過去そのものだった。

「何故、いまさらこんなものを私に見せる、所詮は過ぎた過去だ」
ヴィンセントは振える声で何も無い空間に向かって叫ぶ。
しかし、部屋の隅で控えていたケフカは、ヴィンセントの目の前に立つと、自身満々に言い放つ。
「ところが、できるんだよね、やりなおしが」
「何だと」
「ここだけの話だけど、今ぼくちんが仕えているお方は、全ての時間と次元を支配していらっしゃるのさ」
「だから、君の望む時間に時計の針を戻すことももちろん出来るって寸法だよ」
ケフカの言葉に揺れるヴィンセント、さらにケフカは続ける。
「さっきのは幻でもなんでもないよ、君も気がついていただろ、あれは幻なんかじゃない」
「文字通り、君をあの日の研究室に送ったんだ、特別にあのお方の力をお借りしてね」

「やり直せるのか……本当に」
「本当さ、ただし代償は支払ってもらうよ…それが何かは君にもわかるだろ」
ヴィンセントは薄い唇を歪めて、1度だけ頷いた。

そうだ、過去にさえ戻ることができれば、あの狂った計画を阻止することも出来る、
そうなればこんな薄汚い哀れな肉体になることもないだろう、そして失った愛を、
あの笑顔を今度こそ自分のものにすることも…。

ヴィンセントはケフカから手渡された武器を手に取る。もはや彼に迷いはなかった。
「ルクレツィア…君は今度こそ私のものになるんだ…それが叶うというのならば…
 私は悪魔とでも手を結ぶ」
【ヴィンセント 支給品:ハイブロウST 神羅甲式防具改 現在位置:主催者本拠(任意の場所に移動可))
 行動方針:勝利し、過去を改変する】

(任意の場所に移動可)ではなく(島の任意の場所に登場可)
としておきます、もちろん最初の登場時だけね

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