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[No.49]
 諸刃の剣
【登場人物】
ティナ、プックル

山のふもと、森と山に入る道との間でプックルは出会っていた。
不思議な雰囲気を持つ少女、ティナに。
その雰囲気は何処となくプックルの無二の親友、リュカと似ていた。
プックルは山道を駆け上るつもりであった。
猫族であるプックルの自慢の爪と跳躍力があればそれも可能だったろう。
しかし、ともかくプックルは出会ってしまった。

ティナは出会ってしまった、巨大猫というには可愛い魔物に。
地獄の殺し屋と呼ばれたキラーパンサー、しかも歴戦の勇士であるプックルに。
「大丈夫、怖くないわ」
しかし、どういうことかティナはその魔物に声をかけた。
低く唸り威嚇をするプックルにティナは優しく手を差し伸べた。
瞬間、腕に激痛が走る。
赤く大きな爪痕が残り、ティナは苦痛に顔をゆがめるが、それでも手を引かない。
「大丈夫よ、何もしない」

プックルは威嚇をやめる、背の鬣がしなっとしなびれる。
ティナに向け、最初二、三歩警戒しながら足を進め。
危険ではないと気を許すと、さかんに腰のあたりをティナの足に擦りつけた。
「いい毛並みね、あなた」
ティナがプックルの腹のあたりを擦るとプックルは気持ちよさそうにナァオと鳴いた。
傷つけた腕を必死にザラついた舌で舐めながら。
プックルは腰に巻いていたザックを四苦八苦しながら外し、そのサーベルのような牙で持ち上げティナへと渡す。
「私に?」
ティナの問いにプックルはアォ、と短く答える。
何が入っているのかとザックの中身を空ける。
食料はほとんど無くなっていた、恐らくここに来るまでにプックルが食べてしまったのだろう。
手探りで奥まで手をつっこむと、コツ、と何かに当たった、それを取り出してみる。

「これは……」
刀身が無い不思議な剣、しかしティナが握り締めると長く青白い光が現れる。
と同時に襲われる脱力感、咄嗟にティナはその剣を放した。
ブゥンと低く音がすると光は消え、元のとおりにただの柄だけの剣になる。
「アルテマウェポン……」
魔力を力に換え、敵を討つ剣。
非凡な魔力を持つティナならばその剣を使えようが、それでも吸収される魔力は馬鹿にならない。
ティナはプックルの了解を得てその剣を腰にあて、自分の支給武器であったエンハンスソードも腰にあてた。
「……一緒に行きましょう」
一人と一匹は人の集まりそうな灯台へと向かった。
【ティナ 所持品:アルテマウェポン エンハンスソード 位置:F-16】
第一行動方針:灯台に向かって仲間を探す
【プックル 所持品:なし 位置:F-16】
第一行動方針:ティナについていく
第二行動方針:リュカを探す
※アルテマウェポンは魔力の強さによって威力が変わる剣です。

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