[No.9]
怒り
【登場人物】
ジタン
ジタンは闇夜の草原に立ち尽くしていた。
スタイナーと、それから、フライヤと、他には……
「ちくしょう、ビビ」
ジタンはビビのことが頭から離れられないでいた。
なんで、なんで、ビビが死んじまったんだ。
ジタンは自分の喉を押さえながら呻いた。
支給品をよこしたあの兵士が言っていた。
「あのボウズは運が悪かったんだよなぁ」
聞いた瞬間、ジタンはこの兵士を八つ裂きにしてやりたい情動にかられた。
首を振りながら必死の視線を投げかけてくるスタイナーがいなかったら、実行していたところだった。
ジタンは流れる涙をぶちまけながら、叫びをあげたかった。
声がすぐそこまで出かけた。
だが、ぐっと思いたつ。
いや、スタイナーがもうじき来るんだ……
それまでは派手な動きはしないほうがいいはずだ。
ジタンは、ビビが殺された現場の記憶を懸命に振り払おうとしながら、スタイナーが出てくるのを待った。
今はとにかく仲間と合流して対策を練るしかない。
【ジタン 現在位置:S−10
所持品:コッズガントレット
行動目的:スタイナーが出てくるのを待つ】